ECサイトの売上を伸ばすためには、サイトに訪問したユーザーに商品を買ってもらう割合(CVR)を増やすことが重要です。
実は、Welcartの標準機能だけでも、多くの改善施策を実施することができます。
この記事では、CVRを向上させるために実施したい5つの施策を紹介します。
目次
CVR(コンバージョン率)とは?ECサイト運営で重要な理由
CVRとは、「Conversion Rate」の略で、日本語に訳すと「獲得率」や「コンバージョン率」と表されます。
CVRはECサイトを訪問したユーザーのうち、実際に商品を購入した割合を示す指標です。
例えば、100人の訪問者のうち3人が商品を購入した場合、CVRは3%となります。
この数値は、ECサイトの売上や集客効果を計測するうえで非常に重要な分析指標です。
CVRが低いサイトでは、どれだけ広告やコンテンツに力を入れ集客しても、その努力は穴の空いたバケツに水を注ぐようなものです。
ユーザーがサイトに訪問しても、購入や申し込みにつながらなければ、売上には結びつきません。
だからこそ、まずはCVRを改善することが、ECサイトの売上を伸ばすために欠かせない第一歩となります。
WelcartでCVRを改善する具体的な施策5つ
なぜCVRを改善することが重要なのか理解したところで、次はWelcartでできる5つの改善施策について具体的に説明していきます。
1.サイトに検索ボックスを設置
商品数の多いショップでは、ユーザーが自力で探すのは困難で、結果としてサイトから離脱してしまう可能性が高まります。
そこで効果的なのが、「検索ボックス」の設置です。
Welcartでは「Welcart キーワード検索」というウィジェットを利用することで、簡単に商品検索機能を追加できます。
このウィジェットをトップページやサイドバーなど目に留まりやすい場所に設置することで、ユーザーは欲しい商品をスムーズに見つけることができます。
商品検索がしやすいことで、サイト内の回遊率が向上し、最終的にはCVRアップにもつながります。
2.売上人気ランキングの表示
初めて訪れたユーザーは、「みんなが買っている商品=人気・安心」と捉える傾向があります。
そこでトップページに売上人気ランキングを表示することによって、ユーザーの興味を惹きつけ、回遊を促進できます。
Welcartには「Welcart ベストセラー」という売上上位の商品を掲載するウィジェットがあります。
「Welcart ベストセラー」をトップページやサイドバーに設定することで、ユーザーの回遊率を上げ、CVRの向上に繋げます。
「Welcart ベストセラー」については、下記マニュアルページに詳しく記載しています。
3.商品の情報を充実させる
ユーザーは購入前に、できるだけ多くの情報を得て比較・検討をしています。
そのため、高品質な写真や詳細な商品説明は、CVRを高めるための重要な要素です。
特に商品写真では、商品の細部(ディテール・厚み・素材感など)がわかるカットや、実際の使用シーンを想像できる画像があると効果的です。
また、写真だけでなく「サイズ・素材・スペック・注意点」などの詳細情報も併記することで、ユーザーの疑問を解決することができます。
Welcartのカスタムフィールドを使用すると、独自の情報項目を柔軟に追加可能です。
たとえば「成分」「生産国」「使用上の注意」など、自社に合った項目を自由に設けられるため、購入を後押しする情報をしっかり掲載できます。
Welcartのカスタムフィールドについては、下記マニュアルページに詳しく記載しています。
4.在庫状態を表示
「残りわずか」などの在庫表示は、ユーザーに「今すぐ買わなきゃ」と思わせる強力なトリガーになります。
このような緊急性のある表現は、購入を迷っているユーザーの背中を押し、コンバージョン率の向上につながります。
Welcartでは、商品詳細ページに在庫状況を自動で表示する機能が標準搭載されています。
さらに、売り切れ商品も一覧ページ・詳細ページに表示される仕様になっているため、テンプレートのカスタマイズ不要で、自然と人気・希少性を訴求する導線が整います。
これらの機能を活用することで、ユーザーに対して商品の価値を直感的に伝え、購買意欲を高めることができます。
在庫状態については、下記マニュアルページに詳しく記載しています。
■ 在庫状態
5.レビュー機能の活用
レビューは、商品ページの信頼性を高め、CVRを改善するための重要な要素です。
購入前のユーザーにとって、レビューは「実際の使用感」や「ショップへの信頼性」を見極める大切な判断材料になります。
特にレビューが充実している商品は、それ自体が「人気商品」の証となり、購買の決め手になることもあります。
とはいえ、レビュー機能があるにもかかわらず、なかなか投稿が集まらないケースも少なくありません。
そんな時は、「レビューで次回使えるクーポンをプレゼント」などの投稿促進キャンペーンが効果的です。
ちょっとしたレビューの特典をつけることで投稿のハードルを下げ、レビュー数を増やすきっかけを作れます。
Welcartでは、Basicテーマを除く販売テーマにおいて、会員システムを利用しているサイトであれば、レビュー機能が利用可能です。
また、不適切なレビューが投稿された場合には、管理画面から非公開に設定することもでき、安心です。
会員購入者からのレビューが増えることで、商品ページの信頼性と説得力が高まり、ユーザーの購入を後押ししてくれます。
改善の始め方とポイント
ここまでCVRを改善するための具体的な施策を紹介してきましたが、実践する前にまずやるべきことがあります。
それは、「改善すべきポイント」を把握することです。
紹介した施策を闇雲に行なってもかえって数値が悪くなる可能性もあるため、データ分析ツールを活用し、現状の課題を洗い出しましょう。
サイトを改善する際に使用するツール
以下のようなツールを使用することで、ユーザーの行動や離脱の要因を可視化することができます。
Google Analytics(GA4) | 流入元、滞在時間、直帰率などのユーザー行動を把握できる |
Microsoft Clarity | ヒートマップやセッションレコーディングによって、ボタンがクリックされているか、テキストが読まれているかなどを可視化できる |
どちらも無料で使用できるツールですので、ぜひご利用ください。
GA4の導入方法は、下記の記事で詳しく説明しています。
▼【初心者向け】 Googleアナリティクス4(GA4)の導入と活用方法を解説
https://www.welcart.com/archives/tips/tips-20250423
CVRの改善につなげる分析例
商品詳細ページに多くのユーザーがランディングしているが、滞在時間が短い。
要因
ユーザーが求める情報が不足している可能性が高い。
改善策
ディテールや使い方がわかる写真、商品詳細情報など、ユーザーが求めている情報を充実させる。
トップページからカテゴリーページへの遷移率が低い。
要因
カテゴリーのリンク一覧がわかりづらい状態であることが考えられる。
ヘッダーナビゲーションに設定するだけでは気付かれない可能性がある。
改善策
トップページにカテゴリーのリンク一覧を設置することで、ヘッダーナビゲーションのリンクから遷移しなかったユーザーにもアプローチすることが可能。
改善を始めるにあたり、優先順位を見極めることも大切です。
基本的には、コンバージョン(CV)に直結する地点から逆算して順番に手を加えることで、効果が現れやすくなります。
ECサイトのCVRを改善する際の注意点
いろいろなツールを活用しながら数値の改善を行う上で注意点があります。
それは、数値や見た目に偏りすぎないことです。
CVRの数値の改善のみを追い求めると、客単価が低くなってしまったり、リピート率が悪くなる可能性があります。
逆に、構成やデザインのみを見直しても、ユーザーの心理を無視した改善では、効果が出にくい場合があります。
改善する際は、「売上目標」と「ユーザーの使いやすさ」の両方を意識して、バランスを見ながら改善することが重要です。
よくある質問(FAQ)
Q. CVRの計算方法を教えてほしい
CVR(コンバージョン率)は、以下の計算式で求められます。
例えば、1000人の訪問者のうち30人が商品を購入した場合、CVRは「30(コンバージョン数) ÷ 1000(訪問者数) × 100 = 3%」となります。
Q. CVRの目安はどれくらい?
業種や商品によって異なりますが、一般的なECサイトの平均CVRは1〜3%程度といわれています。
自社の過去データと比較し、改善の余地を判断しましょう。
Q. ユーザーが離脱する主な原因は?
購入までの導線がわかりにくい、入力フォームが長い、決済方法が限定的などが代表的な原因です。
詳しく知りたい場合は、GA4やヒートマップツールで行動を確認し、原因を解明しましょう。
Q. 商品レビューは購入率に影響しますか?
はい、影響します。
購入したユーザーの意見があることで、商品やショップに対し安心感や信頼感を与えることができるため、購入の後押しになります。
まとめ|CVRを改善するためには定期的かつ継続的に行う
この記事では、CVRの具体的な改善方法や分析ツールについて解説しました。
CVRを上げるための5つの施策を紹介しましたが、闇雲に改善する前に、まずはECサイトのネックの部分を特定することが大事です。
GA4やClarityなどのツールを活用して、ユーザーの行動を分析し、改善すべき箇所を把握しましょう。
そして、改善を実施したら終わりではなく、その後の数値の変化を追い、次の改善に活かします。
CVRは一度の改善で完結するものではありません。
ユーザーにとってより使いやすいサイトを目指して、定期的かつ継続的な改善が必要です。