ECサイトを作るには、世界で最も利用されている人気のCMS「WordPress」がおすすめです。 CMSとはContents Management System(コンテンツ・マネジメント・システム)の略で、デザインや画像、文章などのコンテンツを簡単に管理できるシステムです。 ECサイトを含めたウェブサイト構築に広く利用されています。
WordPressもCMSの1つで、使用率のシェアはすべてのサイトのうち43%、CMSを使用するサイトで見ると65%と世界でNo.1です。
本記事では、WordPressの強みを活かしたECサイトの作り方を、メリット・デメリットも含めて解説いたします。
目次
WordPressのECサイトの作り方
WordPressでECサイトを作るには、カートプラグインを導入するだけで無料で構築することができます。
WordPressにECカートプラグインを導入する
ECサイトには商品ページやカート機能、決済、受注管理などの機能が必要です。 WordPressにはECの機能はありませんが、カート機能を備えたプラグインをインストールすることができます。
プラグインは、WordPressに機能を追加することができる仕組みです。 日本でEC機能を追加するプラグインといえば国内でシェアNo.1のWelcart(ウェルカート)です。
Welcart(ウェルカート)
WelcartはWordPress公式プラグインで無料でインストールできます。 2009年にリリースされた日本製のECプラグインで、国内外で26000以上のサイトで利用されています。
ECの構築に必要な機能が標準で搭載されています。 商品管理や注文情報管理、会員機能、ポイント機能など通常の物販サイトに必要な機能が揃っています。
利用可能な決済も豊富で、クレジット決済、後払い、AmazonPayなど様々なお支払い方法を導入することができます。
さらに拡張機能を導入することで、ダウンロードコンテンツや自動継続課金、定期購入商品の販売などの販売形態に対応することができます。
ECサイトをWordPressで作るメリット
ECサイトをWordPressで作るメリットは、WordPressの強みをECに反映できる点です。 以下にWordPressの強み、ECサイトを作るメリットを解説します。
集客(SEO)に強い
WordPressの最大の強みはSEOです。 コンテンツの管理、発信に優れているため、自社のブランディングや商品の紹介記事、LPなどでコンテンツマーケティングを効果的に実施できます。
もともと構造的にSEOに優れている点に加え、SEO対策のプラグインなども豊富です。 コーポレートサイトやオウンドメディアとしても選ばれ続けています。
ECサイトで最も難しい点は集客です。 充実したコンテンツの発信から集客に繋げることができるのはWordPressのメリットです。
カスタマイズ性が高い
WordPressではプラグインという仕組みを使って様々な機能を追加することができます。 SEO対策やセキュリティ強化、バックアップなど安全にサイトを運営するための機能もプラグインで追加できます。
また、WordPressはオープンソースのシステムでソースコードが公開されています。 ユーザーや開発者、制作会社などプログラミングの知識があれば既存のプラグインで実現できない機能の開発も可能です。 モールやASPなどに比べて、自由度の高いカスタマイズで自分だけのECサイトを作成することができます。
一元管理ができる
WordPressをコンテンツマーケティング用のサイトやコーポレートサイトとして活用し、ECサイトは別のシステムを利用する場合、管理画面が別々になります。 また、顧客情報などの情報管理も分かれてしまうことになります。
日々の運用面で、別のシステムを2つ利用することは非常に手間がかかります。 また、同じサイト内で回遊した方が顧客にとっても利便性が高くなります。 一元管理ができることは管理者、顧客両者にとって大きなメリットとなります。
全ての情報を管理できる
モールやASPでは、データ管理はプラットフォーム側で管理されています。 そのため、自社の顧客や受注データであっても一部のデータを出力できなかったり、利用できない場合があります。
WordPressでECサイトを構築する場合、自分でサーバーを契約しデータベースも管理します。 全てのデータを自分の管理下でコントロールすることができる点もメリットといえます。
コストが抑えられる
MakeShopやShopifyなど、多くのASPサービスでは月額の利用料がかかります。 BASEやMakeShopなど利用料が無料というサービスでも、販売手数料など販売した売上から手数料を支払うケースもあります。決済手数料という名称になっている場合もありますが、他の手数料と比較すると高額に設定されています。
その点、WordPressの場合、販売に関する月額の利用料は必要ありません。 サーバーやクレジットカード利用時の決済手数料はかかりますが、自分で選択でき、必要な最低限の手数料のみで運用できます。
売上が大きくなればなるほどこの差は大きくなります。 自社ECサイトの成長を考えるのであれば、コスト面でもWordPressの方にメリットがあります。
ECサイトをWordPressで作るデメリット
ECサイトをWordPressで作成する場合、メリットだけでなくデメリットも考慮する必要があります。メリット、デメリットを比較して自分に合った選択をしましょう。 以下で、ECサイトをWordPressで作成する際のデメリットを解説します。
環境を構築する必要がある
まだWordPressのサイトを持っていない場合、新規で作成するにはサーバーの契約が必要です。ASPサービスでは申込をすれば環境を提供してもらえますが、WordPressは自分でサーバー環境を準備してインストールする必要があります。
サーバーは、共用やVPS、専用サーバーのように種類がありますが、ECサイトでクレジット決済を導入する場合はスペックに注意が必要です。月額費用がスペックの目安となりますので、少なくとも月額2,000円以上のサーバーを選ぶと良いです。
WordPressは人気の高いシステムのため、Xサーバーなど多くのレンタルサーバーではサーバーの管理画面から簡単にWordPressのインストールが可能です。しかし、ASPと比べると構築の手間と知識が必要という点はデメリットといえます。
WordPressでECサイトを作る際のサーバー選びについては下記記事が参考になります。
セキュリティに注意した運用
WordPressはセキュリティに弱いシステムではありません。しかし、自分で環境を構築するため、セキュリティを考慮した構築と運用が必要です。
WordPressのサイトで発生するサイト改ざんなどの事故の多くは、適切なバージョンアップやサイト管理を行っていないことが原因です。セキュリティ対策は難しいものではありませんが、日頃の運用の中でアップデート作業などが必要です。 また、拡張機能のプラグインの選び方にも注意が必要です。
WordPressでECサイトを作る際のセキュリティについては下記記事が参考になります。
手軽なASPサービスと比べるとセキュリティを考慮した運用に気を配る必要があります。
オリジナルのデザインや機能構築にはスキルが必要
WordPressでは、既存のデザインテンプレートやプラグインを使って構築することが出来ます。しかし、既存のものを利用する場合、どうしてもできる範囲が限られます。
こだわったECサイトを構築する場合、デザインや機能が既存のものでは足りないということがあります。その場合、自分だけのオリジナルデザインや拡張機能を開発することになりますが、プログラミングのスキルが必要になります。
HTMLやCSS、PHPなどのスキルがあれば自由にサイトを構築できます。逆にスキルが無い場合は既存のテンプレートや機能の範囲内で構築するか、スキルのある制作会社に依頼するという方法もあります。
自由度が高い反面、スキルのないユーザーにとってはデメリットかもしれません。しかし、ASPサービスの場合でも提供された機能の中で構築することになりますので、大きな差はないと言えます。
ECサイトを作るならWordPressがおすすめ
SEOに強いWordPressはECサイトにおすすめです。 WordPress以外のASPサービスなどでECサイトを構築し、WordPressと連携する方法もあります。しかし、ウェブサイトを2つ管理することになり、情報管理や運用が複雑になります。また、デザインの統一感を出すことも難しいです。
WordPressでECサイトを構築すれば、1つのサイトで完結して集客から販売まで行うことができます。WelcartなどのECプラグインをインストールすれば、WordPressでECサイトを作ることができます。
豊富なデザインテンプレートや拡張プラグインを利用したり、スキルがあれば自由なデザイン、自分だけの機能開発も可能です。 WordPressを扱う制作会社も多いため、プロに制作や運用を任せる方法もあります。
コンテンツマーケティングのメリットをそのままECサイトに直結できるWordPressはECサイト構築に最適なシステムです。